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「小型バス」デファレンシャルO/H
『走行中、後方より異音がする』との事で入庫です。(走行639,076km)
担当エンジニアがテスト走行などで確認した所、異音はデファレンシャル(以下「デフ」)回りから発生していることが判明しました。
早速、見てみましょう!
- 車両をリフトアップし、デフの状態を確認するところからスタートです。
- 大型バスはエンジン縦置きですが、
小型バスですとスペースの関係上横置きです。
なので、動力を伝達するプロペラシャフトが分割・クランク状という複雑構造。作業空間が狭い。。。
- デフ・フランジ部分にガタが・・・
デフ内部にあるテーパーローラーベアリングの摩耗が異音原因の可能性大!
デフO/Hします。 - マフラー、プロペラシャフト、エアサスを外し、デフ本体を降ろします。
- デフを降ろすと、デフに繋がるアクスルハウジング(ホーシング)が丸見えに!ホーシングの方もしっかりチェックします。
問題ありません。でもこの際ですので内部の鉄粉などを徹底的に除去、洗浄します。 - 降ろしたデフ本体。
- デフO/Hスタートです。
分解して、部品を一つ一つチェックします。 - 分解、取り外した部品の一部。他にも沢山ありますが。。
①リングギヤ
②ドライブピニオン&テーパーローラーベアリング
③ドライブピニオンハウジング - 「異音」の原因、的中です!
ドライブピニオンのテーパーローラーベアリングが完全に摩耗していて”虫食い状態”です。 - 63万キロ走行しているので、リングギヤの”歯あたり”にも相当の疲れが。。。
- 新品のリングギヤ、テーパーローラーベアリング、 ドライブピニオンを組付けます。
- デフO/Hはここからが特に重要です! まず、ダイヤルゲージを用いて100分の1ミリ単位で 『バックラッシュ(ギヤ歯の噛み合いピッチ)』を調整します。
- 次に、光明丹を塗り『歯当たり』を点検します。
●バックラッシュ調整
●歯当り調整
●プリロード(ベアリングにかける与圧)調整
この3つを完璧に調整しないと後々不具合が出ます。
バスの場合、無負荷状態では若干”トゥー(つま先)当りに 調整するのがミソ!(長年の実績と経験から)
- 調整後、各部品を取付けます。
- 走行テストを行います。
異音、オイル漏れなどもなく整備完了、完璧です。
弊社はトラック・バスの重整備も数々の実績があります。
今回ご紹介しましたのは、ほんの一例です。
エンジン・ミッション・デフなどのO/H、お気軽に相談して下さい!
法人様も大歓迎です!
ご連絡お待ちしております。